新刊速递丨歴史哲学最終講義(ちくま学芸文庫 ヘ-10-3 )
「世界史は自由の概念の発展である」と主張し、その過程を縦横に語った講義「世界史の哲学」。長らくヘーゲルの入門書として読まれてきた『歴史哲学講義』は、恣意的な編集によって歪められたものであったため、多くの誤解を生んできた。アカデミー版全集に基づいた新訳は、真のヘーゲル像を明らかにする。10年間になされた講義のなかでも1830/31年冬学期の講義は特に重要だ。中国、インドなどの東方世界の歴史から、ギリシア、ローマ、ゲルマンへと辿り、フランス革命後の激動期を考察する。それはヘーゲル最後の国家論・政治哲学の卓抜な洞察であり、現代の自由主義論争にも大きな示唆を与える。目次第二期 ペルシア戦争からアレクサンドロス大王の東方遠征までG.W.F.ヘーゲル(Georg Wilhelm Friedrich Hegel):1770-1831年。近代ドイツを代表する哲学者。人間の意識、社会、国家、芸術、文化という精神の現象は、過去の遺産にして賜物でありながら、今まさに変容のさなかにある。人間の精神が歴史に深く根ざしていることを解明した「歴史の哲学者」。著書に『精神現象学』『法哲学』『エンチクロペディー』、講義録に『歴史哲学』『宗教哲学』『美学』など。松田 純(まつだ・じゅん):1950年新潟県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程単位修得。博士(文学)。静岡大学名誉教授。著書に『ヘーゲル歴史哲学の実像に迫る』(知泉書館)など。訳書に『宗教哲学講義』(山﨑純名義、講談社学術文庫)など。